表具・経師・内装とは

表具・経師・内装
 伝統技能が息づく世界

表具

裂地(きれじ)または紙を、糊(のり)を用いて張り合わせ、掛軸・巻子・経本・書画帖・額・屏風・衝立・襖などを作り上げることです。

現在では、「表装」という言葉とほとんど同義で使われることが多いようです。千数百年以上にわたる歴史の中でこれらの技能の「匠」を伝えてきたのはいうまでもなく「表具師」なのです。

経師

もともと、経巻の書写を業とした人という意味と、その経巻の表具をする職人。また、書画の幅、屏風、襖などを表具する職人を言います。

経師の「師」は、「匠」と同義語であり、どの時代にも技能をもって一家を為す人の意味でした。またその数も限られ、職人としての選ばれた人たちでありました。 自他共に社会的地位を確保し、年輪を重ねていくことによる精進は、常に研鑽と工夫を怠ることなく、日進月歩の時代の中にも偉大な足跡を残してきたのです。

障子障子
襖
掛軸掛軸
屏風屏風
額

内装

長い伝統を持ち、日本人の生活の中に生き続けてきた表具・経師も、現代社会の多様化・洋風化が進む中にあっても、伝統技術を正しく保持し、これらに応じた創意工夫・新しい技術の習得が必要不可欠となっています。

内装、すなわち壁や天井に壁紙や和紙、フィルム材を張り込むことや床に各種の内装材を貼ること、また、カーテンやブラインド等で、窓際を装飾すること等の和洋室内装飾(インテリア部門)にまで、その業務を拡張し、技能を包括しております。

器材・備品もきわめて数多く、工作機械の導入もあり、さらには伝統糊に加え、材料の特性に合わせた接着剤も駆使し、伝統技術・技能を生かしつつ、現代産業として今日の社会のニーズに応えています。

内装
カーテンカーテン
壁紙壁紙
化粧シート化粧シート
床